各家庭で購入した食品や贈り物でいただいたものなど、冷蔵庫や食品庫に眠っている食材、気づけばたくさん余らせてしまうことはありませんか?
家庭から出される可燃ごみの中には、「食品ロス」と言われるまだ食べられるのに手がつけられず廃棄された食品が年間244万tも含まれています。それを減らすためには家庭内の食品の在庫と期限の確認を習慣づけることももちろんですが、自分で消費しきれない食品を早めにフードドライブへ提供することができます。

フードドライブの利用は家庭内の余り食材の活用に繋がるだけでなく、あるものを大切にする心を育て、あなたの暮らしをより豊かにすることにもつながるかもしれません。
この記事では、まだ食材寄付をしたことがない方へ、こども食堂とフードドライブについて具体的にご紹介します。もしご家庭で余り食材の使い道に困ったら、寄付という新しい選択を考えてみてください。
- 子ども食堂&フードドライブの利用方法
- 実際に寄付を決めたらまず知りたい!寄付食材できるものとそうでないもの
- 子ども食堂&フードバンクの様子がわかる!活動事例を3つご紹介
子ども食堂&フードドライブの利用方法

実際に食材を寄付をしたいと思ったとしても、まず何から始めたらいいのでしょうか。ここでは実際に地域の子ども食堂やフードドライブを利用する方法を提案します。基本的に寄付は少量でもOK。ご自身に合う方法を見つけてみましょう。
- 寄付先①|地域の子ども食堂
- 寄付先②|フードドライブ団体
寄付先①|地域の子ども食堂

子ども食堂へ寄付する場合、直接持ち込みを求められることが多いです。主催団体によって受け入れの可否や食材の条件、回収方法は異なるので、まず近くのこども食堂へ電話やメールで連絡をしてみましょう。
子ども食堂への問い合わせは【こども食堂ネットワーク】で探すことができます。
子ども食堂はシェアスペースや公共施設などを利用している場合が多く、在庫を持つことが難しい場合がほとんどです。食品衛生上、未開封で賞味期限内のもの、常温保存可能なものが喜ばれます。事前に連絡をせず、突然持ち込むことは避けましょう。
寄付先②|フードドライブ団体

フードドライブは回収BOXを小売店等に常設している場合も多く、お出掛けのついでなどに気軽に寄付を行うことができます。もし初めて食材の寄付を行う場合は、フードドライブの利用がおすすめです。
- 持ち込み
- 回収ボックス
- 宅配便
持ち込み
各フードドライブ団体に問い合わせ、持ち込み可能な場所や日時を確認しましょう。
未開封で賞味期限に余裕があるもの、常温保存可能なものなどが一般的です。
回収ボックス

スーパーマーケットなどの小売店や市区町村の役所に回収ボックスを設置している場合があります。基本的には事前連絡が不要で、用事のついでなど気軽に寄付をすることができます。営業時間など事前に確認しておくとスムーズです。
例えば、神奈川県内、ほとんどの店舗で食材の回収を行なっています。回収BOXが無い店舗では、店員さんに直接渡すだけで問題ないそうです。
宅配便
多くのフードバンク団体では、宅配便での寄付を受け付けています。近くにフードバンクがない、米・小麦など重量がある場合に宅配便での寄付はとても便利です。ただし送料は自己負担になる場合が多いので、事前に確認しておきましょう。
市主催でフードドライブの利用を推進する取り組みもあります。神奈川県横浜市では、市をあげてフードドライブの利用を推奨する為、団体の活動内容や寄付方法等をわかりやすく紹介しています。

子ども食堂&フードバンクに持ち込んではいけないものは?

地球にも人にも優しい食材寄付の取り組みですが、家庭で余りものを何でも持ち込めるわけではなく、食品衛生の観点から、寄付可能な食材には条件があります。
受け入れ可能な食材例 | 受け入れが難しいとされる食材例 |
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穀類などの主食品(米・小麦など) 長期保存食材(缶詰・乾物・レトルト食品など) 調味料 野菜(新鮮で傷みの少ないもの) 包装や容器が破損しているもの | 賞味期限切れのもの、開封済みのもの 生鮮食品(肉、魚、卵など) アルコール飲料 手作りのお菓子や料理 |

各団体によって受け入れ基準が異なっていたり、受け入れの調整をしている場合がありますので、各団体のホームページ等を事前に確認するようにしましょう。もし該当の情報がなければ、代表の連絡先へ直接問い合わせてみましょう。
子ども食堂&フードドライブの取り組み事例を3つ紹介

ここまで食材寄付の仕組みとその具体的な方法についてご紹介させていただきました。最後に各地で実際に行われている、子ども食堂とフードドライブの事例をご紹介します。
- 事例①|県とフードバンクの連携による子ども食堂への食材提供
- 事例②|企業との連携による食品寄付
- 事例③|農家との連携による新鮮野菜の提供
事例①|県とフードバンクの連携による子ども食堂への食材提供

神奈川県では、県の中核的フードバンクである「公益社団法人フードバンクかながわ」が地域の子どもへ定期的に食材の提供を行なっています。
これにより子ども食堂では、運営コストを抑えつつ、様々な食材を使ったメニューを提供できています。
事例②|企業との連携による食品寄付

JA全農Aコープ中田店(スーパーマーケット)では地元の子ども食堂と連携し、売れ残りなどの中からまだ食べられるのに廃棄していた野菜を寄付しています。
これによって食品ロスの削減に貢献するだけでなく、食堂を利用する子どもたちへ、野菜豊富な食事を提供することができます。
事例③|農家との連携による新鮮野菜の提供

株式会社日本旅行では所有する自社農園「日本旅行ファーム(さいたま市わーくはぴねす農園内)」で採れた野菜を、地元の子ども食堂へ無償で提供しています。
新鮮で多種類の野菜を使った食事は、子どもたちの健康と食経験にも良い影響を与えています。
子ども食堂で余った食材はどうなるの?

子ども食堂では提供する食事の量を調整したり、持ち帰り用の容器を用意したりするなど、食品ロスを減らす工夫をしています。それでも余ってしまった食材は、無駄にならないように下記のような形で再活用をしています。
- 持ち帰り自由:希望する子どもや保護者に持ち帰ってもらいます。
- フードバンクに寄付:長期保存品や調味料など、まだ食べられる状態であればフードバンクに寄付します。
- 堆肥化:どうしても食べられないものはごみ処理場へ持込み、堆肥化して有効活用します。
まとめ

家庭で余った食品をどうすればいいのか悩んでいる方へ。フードドライブや子ども食堂への寄付は、食品ロス削減と同時に、地域の子どもたちを支援できる素晴らしい取り組みです。
この記事では、寄付できる食品やできない食品、寄付先の探し方など、初めての方でも安心して始められるよう、様々な情報をまとめました。
ぜひ、あなたもご家庭で余っている食品を有効活用し、より良い社会づくりに貢献してみませんか?