食の経済

ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティ|4つの要素の違いと関係性をわかりやすく解説。「MOTTAI」で変えたい食の未来のために

食の経済

「SDGs」や「サステナブル」といった言葉を日常的に耳にするようになりました。
しかし、これらの言葉が具体的に何を指し、私たちの生活や企業活動とどう関わっているのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

近年、企業の活動においては、利益追求だけでなく、環境や社会への配慮が求められるようになっています。ESG投資という言葉も頻繁に聞かれるように、企業の非財務的な側面が重視される時代へと変化しています。

この記事では、ESG、SDGs、CSR、サスティナビリティといった、よく似た言葉の意味と違いを詳しく解説します。
そして、これらの概念が企業の事業活動にどのように活かされているのか、具体的な事例を交えてご紹介します。
さらに、食の未来をテーマに、これらの概念がどのように貢献できるのか、「MOTTAI」というキーワードを軸に深掘りしていきます。

この記事でわかること

・ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティとは?
・4つの要素の関係性
・企業での具体的な事業事例
・企業で活動を行う際のポイント
・「MOTTAI」で変えたい食の未来と取り組み

この記事を書いた人
清水 みなみ

1997年生まれ、千葉県出身。千葉大学教育学部卒。在学中は幼保小の教育環境について学び、実践経験を積むためドイツへオペア留学。卒業後は訪問介護ヘルパーとして従事し、幼少期の教育と食育が高齢期にも大きく影響していることを実感。好きな絵本は「もったいないばあさん」、子ども達のより良い学びと食事の場を提供するべく現在奔走中。

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1. ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティとは?

用語①|ESG

 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取ったもので、企業の非財務的な側面を評価する指標です。
環境への配慮、社会貢献、企業の透明性など、多岐にわたる要素を総合的に評価することで、企業の長期的な持続可能性を測ります。

用語②|SDGs

持続可能な開発目標の略で、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットからなる国際目標です。貧困や飢餓の撲滅、気候変動対策、ジェンダー平等など、地球上の誰もが豊かで住みやすい持続可能な社会を実現するためのものです。

用語③|CSR

Corporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任を意味します。企業の社会的責任のことで、企業が事業活動を通じて、社会全体の利益に貢献するという考え方です。

単に利益追求だけでなく、環境保護、人権尊重、地域社会への貢献など、幅広い社会課題に対して積極的に取り組むことを指します。

用語④|サスティナビリティ

持続可能性を意味する言葉で、将来の世代も豊かに暮らせるよう、環境、社会、経済のバランスを保ちながら発展していくことを目指します。

3R政策(METI/経済産業省)

聞きなれない用語ばかりですが、どれもこれからの地球の未来を考えていく上で重要なものばかり。
企業が社会に対して果たす役割や、持続可能な社会の実現に向けて取り組むべきことを表しています。それぞれが異なる視点から同じ目標に向かっており、密接に関連しています。

2. ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティの関係性

これらの用語は、それぞれが異なる側面から「持続可能な社会の実現」を目指しており、とても密接に関わりあっています。

ESGは企業の評価基準、SDGsは国際的な目標、CSRは企業の行動指針、サスティナビリティは全体的な概念として捉えることができます。

3. ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティ企業での具体的な事業事例

ここまで環境や社会の未来に関わる4つの用語について解説をしてきましたが、ここではそれらが実際に企業でどのように実践されているのか、代表的な企業の取り組みをご紹介します。

具体的な企業での事業事例

・事例①|ネスレ
・事例②|ソニーグループ
・事例③|トヨタ自動車
・事例④|ナイキ

事例①|ネスレ

「食のもつ力を信じる」を信条に、企業のグローバルな規模のリソースを活かした多岐にわたる取り組みを行っています。

水資源の保全、児童労働撲滅、栄養改善など、グローバル企業としての製品の原材料の調達から販売に至るまでのすべての過程を通して、持続可能性を追求しています。

ネスレ日本| Nestlé|サスティナビリティ

事例②|ソニーグループ

AIを活用した環境負荷低減、多様性と包容性の推進など、技術革新と社会貢献を両立。特に企業のダイバーシティな環境を活かした、世代、国籍、人種を問わないチームで新たなビジネスやプロジェクトを想像し、持続可能な社会づくりを目指しています。

ソニーグループポータル | サステナビリティ – Sony

事例③|トヨタ自動車

自動車製造をはじめとするすべての事業活動において、 環境負荷低減と社会・地球の持続可能な発展への貢献を目指しています。トヨタ自動車では自社で「トヨタ地球憲章」を策定するなど、環境への取り組みを推進しています。

トヨタ自動車|ESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく取り組み

事例④|ナイキ

ナイキは二酸化炭素排出ゼロと廃棄物ゼロを目指し、スポーツの未来を守る取り組みを実施し、2025年までの目標達成を目指しています。リサイクル素材を使用した製品開発、労働環境の改善など、スポーツの未来を守る取り組みを行っています。

ナイキ|サステナビリティへの取り組み。Move to Zero – Nike

4. ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティを企業で実施する際のポイント

企業がESG、SDGs、CSR、サスティナビリティに取り組むことは、もはや選択肢ではなく、企業の成長と社会からの信頼を得るための必須条件となっています。しかし、具体的な取り組み方や、その際に注意すべき点については、まだ多くの企業が模索しているのではないでしょうか。

ここでは、企業がこれらの取り組みを成功させるためのポイントを4つご紹介します。

ESG・SDGs・CSR・サスティナビリティを企業で実施する際のポイント

ポイント①|長期的な視点を持つ
ポイント②|ステークホルダーへの配慮
ポイント③|目標設定と進捗管理
ポイント④|全社的な取り組み

ポイント①|長期的な視点を持つ

短期的な利益だけでなく、長期的な視点で持続可能な成長を目指し、戦略を策定することが重要です。例えば、再生可能エネルギーへの転換や、製品のライフサイクル全体での環境負荷低減など、長期的な視点に立った目標設定が求められます。

ポイント②|ステークホルダーへの配慮

企業には顧客、従業員、地域社会、投資家など、様々なステークホルダーとの関係性が存在します。これらのステークホルダーとの対話を通じて、それぞれのニーズや期待を理解し、取り組みを設計することが重要です。例えば、従業員に対しては、サステナビリティに関する教育や研修を行い、企業の取り組みへの理解を深めることが求められます。

ポイント③|目標設定と進捗管理

具体的な目標を設定し、定期的に進捗を評価します。目標は、数値化できるものが望ましく、達成状況を可視化することで、社員のモチベーション向上にも繋がります。また、目標達成に向けたロードマップを作成し、定期的に見直しを行うことで、柔軟に対応することができます。

ポイント④|全社的な取り組み

トップから現場まで、全社員が一体となって取り組むことが重要です。トップダウンとボトムアップの両方のアプローチを組み合わせ、社員一人ひとりが主体的に行動できるような仕組み作りが求められます。例えば、社員が自由に意見交換できる場を設けたり、サステナビリティに関するアイデアを募るコンテストを実施したりするなど、様々な取り組みが考えられます。

ESG、SDGs、CSR、サスティナビリティの取り組みは、企業の成長と社会貢献を両立させるための重要な要素です。これら4つのポイントを踏まえて、自社の状況に合った取り組みを進めていく必要が考えられるでしょう。

5. 「MOTTAI」で変えたい食の未来と取り組み

「NPO法人 MOTTAI」には「当たり前の裏側にアクセスしやすい社会を創る」という考えのもと、食の課題=社会課題と捉え、食を通した持続可能な社会づくりへの貢献をめざしています。

主に食品ロスの削減や食を学ぶ機会を提供する活動を行っています。食課題への取り組みは、誰でも身近なところから始められるアクションになります。

活動①|フードロス削減

MOTTAIでは、廃棄になりそうな食材を持ち寄って、カレーや鍋などを作る「モッタイNight」という料理会を行っています。毎月2回、みんなで食卓を囲み、多世代交流の場にもなっています。

活動②|体験事業

古民家改装、農業・漁業・狩猟体験、DIYなど様々な体験を随時企画しています。体験を通して、環境や食材を大切にする気持ちを直接届けています。

活動③|食教育の推進

食に関する知識や意識を高めるための教育活動として、子ども食堂の開催や農業体験、鶏の解体を通して食べることについて考えるちょっとハミ出た授業まで、様々な食教育の機会を提供しています。

NPO法人 MOTTAIの活動は公式HPでチェックすることができます!

6. まとめ

ESG、SDGs、CSR、サスティナビリティ、それぞれの違いと関係性がお分かりいただけたでしょうか。

これらの概念は、企業や人が社会の一員として果たすべき役割を示す重要な概念です。私たち一人ひとりが、よく理解し、実践することが、自然環境の保全や私たちの生活を守ることにつながっていくかもしれません。

ぜひESGやサステナビリティについて関心を持ち、より良い地球の未来のために貢献できるような行動を始めてみましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
清水 みなみ

1997年生まれ、千葉県出身。千葉大学教育学部卒。在学中は幼保小の教育環境について学び、実践経験を積むためドイツへオペア留学。卒業後は訪問介護ヘルパーとして従事し、幼少期の教育と食育が高齢期にも大きく影響していることを実感。好きな絵本は「もったいないばあさん」、子ども達のより良い学びと食事の場を提供するべく現在奔走中。

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